お世話になります、施工管理部の山崎智秀です。
今回は弊社が施工の際に使う薬剤についてです。ちょっと難しい内容になってしまいますが、私たちが薬剤事故を起こさないために大切なことと考えていることです。
私たちは害虫駆除のために、様々な薬剤を保有しています。市販品よりも殺虫効果が強い薬剤もあれば、弱い薬剤もありますし、市販品よりも長期に効果を発揮する残効性に優れた薬剤もあれば、散布したその時だけ効果を発揮して成分が残らない薬剤などを、対象となる害虫と発生状況にあわせて薬剤を使い分けています。
お客様から薬剤についてのご質問で最も多いことが、薬剤の安全性についてです。つまり人体やペットへの毒性です。
小さなお子様がいらっしゃるご家庭や、室内飼いのペット、化学物質過敏症などアレルギーのあるご家族がいらっしゃるご家庭など、ご心配なさるのも当然です。
使用する薬剤は、国に認可された人体に対して安全性のある薬剤ばかりですが、アレルギーや毒性への心配は完全には解消されないものです。
本来、殺虫剤というものは、害虫を殺すための薬剤ですから、生物に対して毒性があるのは当然のこととも言えます。
この、お客様の毒性に対する不安につけこんで、「天然成分だから無害です、絶対安全です」と天然由来の高価な薬剤を薦める業者もいます。
しかし、天然成分が本当に安全なのでしょうか?
天然物が安全ならば、誰も花粉症になりませんし、食べ物によるアレルギー発症なども起こりません。
天然の殺虫効果や忌避効果がある成分は、外敵を振り払えない植物が自己防衛のために作り出す「植物性アルカロイド」と呼ばれる神経系に作用する物質です。
植物にとっての外敵とは、昆虫だけではありませんから、様々な生き物に作用します。たくさんの種類があり、人体に大きな影響を与える物質もあります。
「植物性アルカロイド」そのままを薬剤として使っているのではなく、安定剤などを添加して自然派殺虫剤製品となっているのですが、実は化学合成で作られた薬剤と比較して、安全性や毒性はあまり違いはありません。
天然由来の殺虫剤も、化学合成の殺虫剤も、どちらが安全であるかとは言えなくて、使用量や使い方次第なのです。
化学合成された殺虫剤の主成分にも、「植物性アルカロイド」と同じく神経系に作用する物質ですが、人間などの脊椎動物と昆虫の神経節との違いを利用して、昆虫に対してより効果を発揮するように改良されたことで安全性が高まりました。
私たちが日常生活で使用する薬剤のほとんどは、化学合成された殺虫剤ですが、日々の実験や研究の積み重ねで、昭和や平成初期の頃にくらべて安全性は飛躍的に高まっています。ひとえに薬剤メーカー様の絶え間ない研究開発の結果だと思っております。
「ただ薬剤を振り撒くだけなら、誰にでもできることです。」
【害虫の発生原因を突き止め、原因を除去・改善すれば、最小限の薬剤使用量ですむ】のですから、天然由来・化学合成にかかわらず、多量の薬剤を無思慮に散布することによる薬剤事故を起こさずに、安全に駆除結果を出すことが出来る。これが害虫駆除をするにあたって、弊社が重要と考えていることです。
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薬剤や施工方法などに疑問や不安がありましたら、お気軽にスタッフにお尋ねください。