最近調査にお伺いした現場でアメリカカンザイシロアリを発見しました。
ここのところ非常に問合せや被害相談が多くなっています。
アメリカカンザイシロアリは従来型の土壌性(地下性)シロアリと違って、乾燥した材木の中で生活しています。
シロアリには違いないのですが、従来の駆除作業に対する概念を捨てなければ、とても完全に退治できる種類では有り
ません。また、ヤマトシロアリやイエシロアリのような土壌性のシロアリと違い、被害部に土が無いのが特徴です。
人が認識できるような湿気がなくても木の中だけで生きられますので、天井裏から床下までのすべての木材、家具、
木製品が被害を受ける可能性があります。
このシロアリは、天井裏や壁の中の柱を食害している事も多く、被害箇所も小規模で多数だったりと駆除作業は
非常に苦戦します。
最近よくマスコミやテレビ番組で特集されている外来種のシロアリがこの種類にあたります。
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引き戸の敷居に被害がありました。
表面に穴があり(排糞孔)中には糞が沢山ありました。
材の中は空洞になっていて、食害の状況がよくわかります。
中央の穴へ逃げ込んでいるのが、兵蟻です。
兵蟻がとても大きく、体長は1センチ近くありました。
【駆除について】
確実に駆除するには、とても大掛かりですが、家屋全体をシートで密封してガス燻蒸することです。
この方法ですと材木内外のすべてのシロアリや生き物はいっきに死滅します。
しかし、駆除後には薬剤効果が残らないので、近隣に棲息していると再び侵入される可能性があります。
また、それなりの費用(かなり高額)を要しますので、あまりお勧めはできません。
少数集団で生活しているこのシロアリは、イエシロアリやヤマトシロアリのような甚大な被害にはなりにくいので、
一気に駆除することを考えるよりも、専門家の判断の元に被害部位の定期的な点検や、必要に応じて薬剤処理を行う事
で充分対応できます。
被害らしき症状があれば、まずはご相談下さい。